日本人の幸福度考察

日本人と承認欲求、自己実現欲求 考察

前回の記事では「マズローの欲求5段階説」の観点から日本人の幸福度が低い理由を考察していきました。

日本人の中で「生理的欲求」「安全欲求」「社会的欲求」が満たされている方は多いが、「承認欲求」、「自己実現欲求」は満たされていない方が多いというのが私なりの考察結果です。

本記事では

  • 承認欲求が満たされない日本人が多い理由
  • 自己実現欲求が満たされない日本人が多い理由

についてもう少し深堀りして考察していきます。

 

承認欲求が満たされない日本人が多い理由

 

まず承認欲求は誰の心にも存在する非常に強い欲求で地震の行動にも大きく影響します。承認欲求があること自体は日本人特有のものではありませんが、日本人の真面目で和を重んじる国民性が承認欲求をより強くしてしまうと感じています。

和を重んじるということは空気を読む、つまりは人の目を気にすることにつながります。人の目を気にするということが人に嫌われたくない、できれば好かれたい、評価されたいという感情につながり、やがては行動が制限され自分のやりたいことが思うようにできなくなります。

ただその結果承認欲求が満たされればいいのですがそうもいかないケースが多いのが実態です。自分の感情を抑えて承認欲求を満たそうとしても、会社で認められ評価されるのはおおむね20%程度の人にすぎません。また会社で承認欲求を満たそうと努力し必死に働くということはその分プライベートで使える時間が減ることを意味します。

その結果ワークライフバランスが成り立たずプライベートな時間が減り、家族がいる方は家族と過ごす時間が減ります。家族と過ごす時間が減れば家族からも認められない、つまり承認欲求はここでも満たされないことになります。

そういった負のスパイラルに陥り、強く満たしたいと願う承認欲求が満たされず幸福度が下がるのではと推測しています。

 

自己実現欲求が満たされない日本人が多い理由

 

自己実現という言葉の捉え方は諸説ありますが、自分の能力を最大限に活かしたいと願う思いと言い換えることができます。この自己実現をするためにはまず自分の能力、強みとは何か?その能力、強みを活かして何を成し遂げたいのかを自分なりに考え抜く必要があります。

しかし、そもそもそのようなことを考えている人がかなり少数派だと感じます。私は仕事関係の人、プライベートな友人を問わず機会があれば「自分の強み」や「その強みを活かして人生で何を成し遂げたいか」という趣旨の質問をしていますがすっと答えが返ってきたことは一度もありません。

ちょっと答えるのが恥ずかしいような質問でもありますし、本当は心の中にはあるけど私には答えてくれていない可能性も十分ありますが、それを差し引いても何百人もヒアリングして0人というのはちょっと異常だと感じています。

逆に仕事で海外に行った際、夜の会食等で同じ趣旨の質問をすると2,3割の確率で答えが返ってきます。例えば、「今手がけているプロジェクトを成功させて○○の分野で社会貢献したい」「○○の知識を活かして地域貢献したい」等様々です。

この差はどこからくるのか?ですが、日本人は「自分がどうしたいか」よりも「他人にどう思われるか」を優先し自身の行動を決める人が多いからではないでしょうか?

そもそも「自分は何が得意で何がしたいか」を真剣に考えなければ永遠に答えにはたどり着けません。これは能力うんぬんの話ではなくまず真剣に考えるかどうかです。人それぞれ得意な分野は違いますし歩んできた経験も異なります。ゆえにその人にしかできないことがきっとあるはずですし、それを探さないのは非常にもったいないと感じます。

私の意見をまとめますと

  • 承認欲求が満たされない日本人が多いのは、一部の人しか評価されない仕事を優先するがあまりプライベート(家族)を犠牲にしているから
  • 自己実現欲求が満たされない日本人が多いのは、そもそも自分は何が得意で何を人生で成し遂げたいかを考えていないから

となります。

ここまで日本人の幸福度が低い理由を考察してきましたが、次回は幸福度を上げる、充実した人生をおくるために何が必要なのかを私なりに考察していきます。