この記事では私が考えるブラック企業を避けホワイト企業を見つける方法について述べていきます。主に見ていただきたいのは転職を考えておられる方(新卒の方以外)です。ここでいうホワイト企業の定義は以下の要素を多く満たしている企業のことで、ブラック企業はその逆です。
- 給与水準が高い
- 残業が少ない(ワークライフバランスがとりやすい)
- パワハラ、セクハラがない
- 福利厚生が充実している(特に家賃補助)
- 明確な評価制度がある
そしてそれらの条件を満たすホワイト企業の見つけ方は大きく3つのステップにわけることができます。
- ホワイト企業が多い(ブラック企業が少ない)業界を探す
- 転職サイトを利用し①の業界の中で求人が出ていて希望勤務地が叶いそうな企業を探す
- ②の企業について就職四季報で各種情報を確認し応募する企業を絞り込む
では詳細について順に説明していきます。
目次
- ホワイト企業が多い(ブラック企業が少ない)業界の探し方
- おすすめの転職サイト
- 就職四季報で確認するポイント
ホワイト企業が多い業界の探し方
ブラック企業を避け、ホワイト企業が多い業界を見つけるためには大きく2つのポイントがあります。
その2つのポイントとは、「人力に頼る(労働集約型)業界を避けること」、「国に守られ競争にさらされていない業界に注目すること」になります。以下で具体例をあげて説明していきます。
まず、人力に頼る(労働集約型)業界の具体例をあげていきます。
- 飲食業界
- 小売業界
- 宿泊業界
- 冠婚葬祭業界
- 運送業界
- 介護・福祉業界
- 娯楽業界
いずれも人がサービス、作業をしないことには売上がたってこない業界です。そして総じて企業の費用に占める人件費の割合が高い傾向にあります。それに加えて競争も激しくお客様への売価を簡単に上げることができない中で利益を残すため人件費を不当に安く抑えるという選択をとる企業が後を絶ちません。
これらの業界の特徴を給与面以外も含めてまとめると以下になりますが、ホワイト企業とは逆の特徴を有しています。
- 給与水準が低い
- 勤務時間が長く休日も不定期
- パワハラ、セクハラが多い
- 福利厚生が充実していない
- 長期間勤務してもスキルアップが見込めない(同様の作業の繰り返し)
ただしもちろん例外はあります。どの業界でもホワイト企業は存在しますし、もし読者の方が確たる情報をつかんで上記の業界を志望されるのであればそれを否定するものではありません。しかし何も情報をお持ちでないなら、ブラック企業の多い上記の業界を避けることをおすすめします。
次に、国に守られ競争にさらされていない業界の具体例を挙げていきます。
- インフラ業界(電気、ガス供給等)
- 輸送業界(鉄道、航空、海運等)
- 私立大学業界
- 石油・石炭業界
- 郵便業界(日本郵政公社)
いずれも新規参入障壁が高く、過度な競争とは縁遠い業界です。また仮に経営危機に陥ったとしても国が支援・救済をする可能性が高く経営破たんする可能性も低く労働者目線で見るとリストラにあう可能性も低いでしょう。
これらの業界の特徴をまとめると以下になりますが、ホワイト企業の特徴を多く有しているケースが目立ちます。
- 給与水準が高い
- 残業が少なくワークライフバランスがとりやすい
- パワハラ、セクハラが少ない
- 福利厚生が充実している
上記のような条件を満たすホワイト企業は離職率も低く、募集人員そのものが少ない場合が多くなっており希望者間の競争が激しいため入社するのが困難です。
現実的には具体例を挙げた「国に守られ競争にさらされていない業界」を第一候補とし、「労働集約型の業界」以外の業界(メーカー、商社、IT、広告・出版・マスコミ、金融等)の中から第二候補、第三候補を選び志望業界を絞り込むのがおすすめです。
なお、私の経験上公務員を強くはおすすめしませんがそれなりにホワイトな労働環境で働けている人は多いと思いますのでやめた方が良いとも言いきれません。なお公務員といっても国家公務員、地方公務員がわかれていますし、職種も実に様々です。例えば国家公務員でいえば行政府、立法府、司法府の一員として働くことになりますが、行政府で働く人の中でも国家総合職、国家一般職、国家専門職と細分化されています。
そういった状況から公務員をひとくくりにするのは難しいですがおおまかな傾向としては以下の特徴があると考えています。
- 給与水準が低い(とはいえ中小企業の平均と比較するとやや高い)
- 残業が少なくワークライフバランスがとりやすい
- 福利厚生が充実している
- 解雇されにくい
- 仮に退職した場合転職しにくい
上記の特徴の中で解雇がされにくく長期間働けるというのをメリットに感じ応募される方も多いと推測します。解雇されにくいというのは今の法律上そのとおりでほとんど仕事をせず戦力にならなくても給与は年功序列で上がります。ただこの制度がいつまで続くかはわかりません。
仮にこの公務員の特権が法改正により剥奪された場合転職は難しいのものになることは容易に想像できます。民間企業は利益を上げることを目的としていますが公務員の方はその意識が希薄なケースが多いため民間企業からは敬遠されがちです。
私自身、公務員から民間企業へ転職しましたが転職する際はかなり苦戦を強いられました。最初の書類選考で落とされることも多かったですし、民間企業に対しアピールできる要素もありません。そのような厳しい状況下におかれながらも、なぜホワイト大企業へ転職できたのか? についてはまた別の記事で詳細を書きたいと思います。
おすすめの転職サイト
次に転職サイトに関する話ですが、現在日本には数多くの転職サイト、転職エージェントが存在し、雇用の流動化を支えています。有名どころでいえば、リクルートエージェント、doda、マイナビAGENT、JACリクルートメント、パソナキャリア、ビズリーチ等があります。
ただいずれのサービスも私自身最近利用していないので今時点読者の方に語れる情報がありません。(現状の労働環境に満足していますし転職を考えていないので当然といえば当然なのですが)
経験していないものを良いも悪いも無責任に言えませんので実際に利用した上でどのサービスがおすすめかを改めてお伝えしたいと思います。
ただ一つ現時点でもお伝えできるのは ハローワークにホワイト企業就職につながる求人は非常に少ない という事実です。
私の知人がハローワークで勤務していることと、私自身ハローワークを利用したことがあるのでわかるのですが、ハローワークに良質な求人はない(非常に少ない)と思ってください。
その背景にはハローワークのシステムがあります。ハローワークは国の機関で税金が投入されています。それゆえ企業から求人掲載料をもらわなくても成り立ち、実際求人掲載料は無料です。立場を変えてイメージいただきたいのですが、経営者や人事部の人が優秀な人材を獲得し、長く働いてもらいたいと考えるのであれば有料でも優秀な人材が獲得しやすい媒体を利用するでしょうし、人材に重きを置いていないのであれば無料のハローワークを利用するでしょう。
加えてそのような企業は転職サイトに求人掲載料を払う余力もない企業である可能性も否定できず財務面でも不安が残ります。特殊な事情がない限りハローワークの求人から応募するのはおすすめしません。
就職四季報で確認するポイント
志望業界を絞り、ある程度企業も絞り込んだ後は就職四季報の出番です。まず就職四季報とは就職のための企業情報が詰まった分厚い本です。この本の良いところは企業側からの掲載料なしで中立的な立場で制作されており情報の信頼度が高い点です。企業側がお金を払って情報を掲載している場合どうしても企業側に都合の良い情報に偏りがちですのでこの点は大きいですね。
ではその就職四季報を利用してホワイト企業の可能性が高い企業を探す方法についてここから述べていきます。具体的には以下のポイントに着目してください。
- 3年後新卒定着率
- 平均年収
- 平均勤続年数
- 採用プロセス
では以下に補足していきます。
まずすべての項目にいえることですが企業によってはNA(Not answerの略)表示のものがあります。判断が難しいですが基本的には疑ってかかるべきではないでしょうか?というのも良い数字であれば企業側は公開したいはずですしあえて公表しないのには裏があると考えるのが普通だからです。
その前提を踏まえた上でまず3年後新卒定着率につきみていきます。これは文字通りの意味で低い方が良く、おおむね20%未満が望ましい水準です。私の経験上も新入社員に優しい企業はホワイト企業(組織)であることが多いと感じますし、パワハラ、セクハラも少ないケースが多いです。
次に平均年収は業界に左右される面が大きいですね。競争が激しく少ないパイを奪い合っている業界(飲食・小売・宿泊・旅行・運送等)は業界全体の給与水準が低くなっています。逆に平均年収が高い業界は金融、証券、コンサル、不動産、等です。
また平均勤続年数は長い方がホワイト企業率は高まるものの注意点があります。まずそもそも企業の歴史が浅い場合は当然短くなりますし、企業精神を持つ人が多い会社も短くなる傾向がありますのでこのあたりも念頭においていただければ幸いです。
最後に採用プロセスですがこれが簡素すぎるのは望ましくありません。就職活動をする側からすると筆記試験もなく面接も少ない方が楽ですが、そのような採用プロセスをとっている企業は優秀な人材を時間とお金をかけてでも獲得し長く働いてもらおうという意識がないともいえます。言い換えると人を大事にしようという企業風土がないとも言うことができホワイト企業である可能性は低くなります。
最後にもう一度おさらいしますが、まず業界を絞り込み、ハローワーク以外の就職サイト、就職エージェントを利用して企業レベルまで絞り込み、就職四季報で確認する このステップで進めていただくのがおすすめです。
もう一つ補足させていただくと転職はタイミングが重要です。今日本、いや世界はコロナウィルスの影響で深刻な経済危機に直面しています。そのような状況下においてはどの企業も採用を絞る傾向にあり、逆に採用どころかリストラする企業も増えています。
その影響から買い手市場になっているので今は情報収集はしつつも転職は慎重に検討されることをいおすすめします。