前回の記事では「日本人と承認欲求、自己実現欲求」について考察する記事を書きました。日本人の幸福度がなぜ低いのかを、「マズローの欲求5段階説」をベースに考察してきましたが、それでは何があれば、何が満たされれば幸福度が上げる、いいかえればQOL向上につながるのでしょうか?
本記事では
- QOL(クオリティオブライフ)向上に必要な要素
について私なりの考察結果をのべていきたいと思います。
QOL向上に必要な要素
人間は誰しも幸せに生きたい、充実した人生をおくりたい、QOL(クオリティオブライフ)の高い人生を送りたいと願うものですし、またその権利があると私は考えています。
その願いを叶えるためには人間の動物としての本能に加え、他の生物が持っていない様々な欲求も満たす必要がありますので、複数の要素が必要になってきます。
その複数の要素について、「マズローの欲求5段階説」をベースに一つ一つ見ていきたいと思います。
①生理的欲求を満たすために必要なもの
食料、飲み物、睡眠できる場所
②安全欲求を満たすために必要なもの
健全な心、健康な体、治安が良好な地域に住んでいること
③社会的欲求を満たすために必要なもの
家族がいること、会社やサークル等の集団への所属
④承認欲求
他者からの承認、他者からの高い評価
⑤自己実現欲求(自己超越欲求も含む)
人生の目的(自分の人生をつうじて成し遂げたいこと)
上記の目的に少しづつでも近づいているという実感
①~⑤ 共通
自由になるお金
自分が何をするかを自分の意志で選択できる自由な時間
いかがでしょうか?読者様自身であてはまっているか確認いただければご自身の状況が客観的に見えてくると思います。
補足していきますと、食料、飲み物、睡眠できる場所(家)は動物としての本能ですし、生命維持に不可欠な要素ですので必要なものであることは理解いただけると思います。
また、心身ともに健康であること、治安の良い地域にいることも理解しやすいかと思います。体調不良のときに幸せを感じることは難しいですし、犯罪が多発している地域や極端な例ですが戦争をしている地域に住んでいて幸せを感じることもできないでしょう。生命の危機が迫っている状況では幸せを感じるどころではないはずです。
家族、会社などの組織への所属につきましても理解を得やすいかと思います。人は孤独に弱い生き物ですし、一人では生きていけません。何らかの集団に所属しそこで良好な関係が築ければ心の安定にもつながります。
承認欲求についても人間の原始的な欲求の一つです。誰しも少なからずできれば人から認められたい、承認されたいと願う気持ちがありますし、ご自身にあてはめていただければ理解いただけるかと思います。
次の人生の目的についてはピンとこない読者様も多いかと思います。かくいう私も30年近く人生の目的はありませんでした。かろうじて働いてはいましたが、嫌々働き、週末の息抜きだけが楽しみで何のために生きているのかわかりませんでした。というよりそれを考えるのを放棄していたのかもしれません。ですので人生の目的がない、人生が楽しくないという方がおられましたらその気持ちはよくわかります。
自由になるお金、自由になる時間についても理解いただけるかと思います。お金については食料の調達から居住場所の確保等何をするにも必要です。ただお金があればすべて解決といえるほど単純なものでもありません。上記で述べたとおりお金以外にも様々なものが必要ですのでバランスが重要になります。
時間については一日24時間という決められた枠の中で最低限の睡眠、食事等の時間を確保しつつやりたいことをやるには様々な工夫がいりますし、時間のやりくりについては悩まれている方も多いのではないかと思います。特にサラリーマンで妻子持ちの私と同じ境遇の方は平日は仕事、休日は家族とすごすという方も多いと思いますので、中々自由な時間が確保できないのではないかと思います。
私の意見をまとめますとQOLを向上させるためには以下が必要だと考えます。
- 食料、飲み物
- 睡眠できる場所(家)
- 健全な心
- 健康な体
- 治安が良好な地域に住んでいること
- 家族
- 会社等の組織への所属
- 他者からの承認(評価)
- 人生の目的とその目的に近づいているという実感
- お金
- 自由になる時間
改めてみるとこれだけのものが必要なわけですから充実した人生を送る、QOLの高い人生を送ることの難しさを感じます。しかしこれらの要素をバランスよく満たすことが鍵を握っているもの事実です。私自身も改めて人生を振り返り、上記の要素が満たされていたか否かと幸福度(QOL)との関連性をまとめているところですので次回の記事にしたいと思います。